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小鮎の生涯

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小鮎の生涯

まずは琵琶湖の小鮎の生涯です。

仔稚魚期

小鮎は秋口に琵琶湖に流れ込んでいる河川の河口域で孵化し川を流れて琵琶湖に下ります。琵琶湖に流れ着いた仔鮎は卵黄嚢を消費するとプランクトンを捕食して成長します。小さいうちは浅場で生活しますが、琵琶湖の水温低下とともに深場へと移動し群れを作り、体長が60mm程度になると、鱗が形成されます。

成魚期

成長した稚鮎は、春には琵琶湖へ注ぐ川を遡上し、上流で大きく成長するものと、川には遡上せず、琵琶湖に残って生活し、あまり大きく成長しないものとに分かれていきます。川を遡上し大きく成長する鮎に対し、春以降も琵琶湖に残る大部分の鮎は、成長しても10cm程度の大きさにしかならないため、「小鮎(コアユ)」と呼ばれます。

ヒコ
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琵琶湖流入河川の釣り人は川に遡上した個体であっても、餌で釣れる小さい鮎を小鮎と呼ぶのが一般的です。

(川へ向かう鮎)
春になり川の温度が10℃前後になると、5~6cmに育った一部の稚魚が川を遡上しはじめます。遡上は例年3月頃から始まり、産卵期の秋まで半年にわたって続きます。鮎は母川回帰をしないと言われていて、その時に一番条件のいい川で遡上を始める様です。(あまり広範囲を回遊しない様なので、湖西の小鮎が湖東の河川に遡上する事は無さそうです。)

ヒコ
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まあ、母川回帰をしない(出来ない)のが普通で、鮭などの様にかなりの遠方からでも自分の生まれた川に戻ってこれる能力がある方が特殊で不思議ですよね。笑

鮎は成長に伴い、藻類などを食べるのに適した櫛のような形状に歯は変化すると共に食性も変化し、岩についたコケを主食にするようになります。川の鮎はコケを食べだすと、1日で1㎜程度成長すると言われており、琵琶湖に流れ込んでいる各河川でも20㎝以上に成長する鮎もいます。

(琵琶湖に残る小鮎)
琵琶湖に残る小鮎は餌の関係なのか、あまり大きくならず成魚となります。その大部分は沖合で群れを成し過ごしていて、浜で釣れてくる小鮎はそのほんの一部にすぎません。琵琶湖の小鮎の主食はプランクトンなのですが、季節が進めばコケを食む様な行動を見せるものも現れてきます。

ヒコ
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琵琶湖に残る小鮎については体長が10㎝程度と書きましたが、浜でも15㎝以上の小鮎が釣れることもあり、大きく成長するものもいる様です。釣り方、捕り方が確立されていないだけで、ひょっとしたら琵琶湖の深場や、特定のポイントでは琵琶湖内であっても大型になっている鮎もいて、知られていないだけかもしれません。笑

産卵

鮎、小鮎は産卵の準備が整い川の水温が産卵の適水温になってくると主に川の下流域の小砂利底(小さな浮き石が多いところが最適 )で産卵行動を開始します。琵琶湖で育った小鮎は9月~11月頃、川で成長した鮎は9月半~11月半頃が産卵の時期と言われていて、9月より琵琶湖全域で小鮎が禁漁に成るのは、この産卵のタイミングに合わせたものです。体長等により個体差はありますが1匹で数千個~数万個以上を産卵する様で、親鮎は産卵を終えるとその生涯を閉じます。受精卵は10日から2週間で孵化(ふか)し、体長は5~7mm、夜間、流れにのって川をくだり琵琶湖に流れ込みます。親鮎の成熟のタイミング、産卵期により各個体特性が転生していく等の生態については各種文献で述べられている通りです。まあ、あまり釣りには関係のない事ではあります。
河口で生まれた小鮎は、こうして一年後に河口でその生涯を閉じる年魚です。

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